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ブログ
作成日:2026/09/03
管理職だから残業代なしで大丈夫?会社が確認したい管理監督者の考え方

店長、課長、マネージャー、責任者。

 

会社には、いろいろな役職があります。

 

その中で、

 

「管理職だから残業代は出していません」

「店長は責任者なので労働時間の管理はしていません」

「役職手当を払っているので、残業代は不要だと思っていました」

 

という話を聞くことがあります。

 

ただ、役職名がついているからといって、すぐに労働基準法上の管理監督者にあたるわけではありません。

 

いわゆる「名ばかり管理職」の問題は、未払い残業代のトラブルにつながりやすいテーマです。

 

今回は、管理職の残業代について、会社が確認しておきたい基本を社会保険労務士の視点からお伝えします。

 

 

【役職名だけでは判断できない】

 

労働基準法では、管理監督者に該当する場合、労働時間、休憩、休日に関する規定の適用が一部除外されます。

 

ただし、これは会社が自由に「管理職」と決めればよいという意味ではありません。

 

実際にどのような権限があるのか。

 

経営者と一体的な立場といえるのか。

 

出退勤についてどの程度の裁量があるのか。

 

賃金や待遇がその立場にふさわしいものか。

 

こうした実態を見て判断されます。

 

たとえば、店長という名前がついていても、実際にはシフト作成や現場管理だけをしていて、重要な経営判断には関わっていない場合があります。

 

また、出退勤も一般社員と同じように管理され、遅刻や早退の扱いも同じであれば、管理監督者といえるか慎重に考える必要があります。

 

 

【役職手当を払えばよいわけではない】

 

管理職に役職手当を支給している会社は多いと思います。

 

役職手当自体は、責任や役割に応じて支給するものとして意味があります。

 

ただし、役職手当を払っているからといって、当然に残業代が不要になるわけではありません。

 

役職手当が何のための手当なのか。

 

残業代を含む趣旨なのか。

 

管理監督者としての待遇といえるのか。

 

一般社員と比べて十分な処遇になっているのか。

 

このあたりを確認する必要があります。

 

「役職手当を出しているから残業代込みです」

 

という説明だけでは不十分な場合があります。

 

固定残業代として扱うのであれば、その時間数や金額、超過分の扱いも明確にする必要があります。

 

 

【深夜割増は管理監督者でも対象】

 

管理監督者に該当する場合でも、すべての労働基準法の規定が適用されなくなるわけではありません。

 

注意したいのが、深夜労働です。

 

管理監督者であっても、深夜時間帯に働いた場合には、深夜割増賃金の規定は適用されます。

 

また、年次有給休暇なども関係します。

 

「管理職だから労働時間をまったく見なくてよい」

 

「深夜に働いても何も支払わなくてよい」

 

という考え方は危険です。

 

実際の勤務状況を把握し、深夜労働がある場合は賃金計算も確認しましょう。

 

 

【管理職の働きすぎにも注意】

 

管理職は、責任が重くなりやすい立場です。

 

部下のフォロー。

 

シフト調整。

 

お客様対応。

 

クレーム対応。

 

人手不足時の穴埋め。

 

上司への報告。

 

こうした仕事が重なり、長時間労働になっていることがあります。

 

「管理職だから仕方ない」

 

で済ませてしまうと、健康面の問題につながることもあります。

 

会社としては、管理職の労働時間や負担も確認する必要があります。

 

実際に何時間働いているのか。

 

休日は取れているのか。

 

深夜対応が多くないか。

 

部下の仕事を抱え込みすぎていないか。

 

責任に見合った権限や処遇があるか。

 

管理職は、会社を支える大切な人材です。

 

だからこそ、無理を前提にした働き方にしないことが大切です。

 

 

【会社が確認したいチェックポイント】

 

管理職の残業代について、確認したいポイントを整理します。

 

役職名だけで管理監督者と判断していないか。

 

実際の権限や責任を確認しているか。

 

経営に関わる重要な判断権限があるか。

 

出退勤について裁量があるか。

 

一般社員と比べて待遇が十分か。

 

役職手当の意味を説明できるか。

 

固定残業代と混同していないか。

 

深夜労働の割増賃金を確認しているか。

 

管理職の労働時間や健康状態を把握しているか。

 

就業規則や賃金規程の内容が実態と合っているか。

 

管理職という言葉は便利ですが、実態と合っていなければトラブルになります。

 

役職名ではなく、働き方と権限を見直すことが大切です。

 

 

【まとめ:管理職の扱いは実態で確認する】

 

管理職だから残業代は不要。

 

店長だから労働時間管理はいらない。

 

役職手当を払っているから大丈夫。

 

このように考えている場合は、一度立ち止まって確認した方がよいかもしれません。

 

労働基準法上の管理監督者にあたるかどうかは、役職名だけではなく、実際の職務内容、権限、勤務時間の裁量、待遇などを総合的に見て判断されます。

 

また、管理監督者であっても、深夜割増賃金など注意すべき点があります。

 

管理職は、会社にとって重要な役割を担う存在です。

 

だからこそ、責任だけを重くするのではなく、権限、処遇、労働時間、健康管理まで含めて整えることが大切です。

 

「管理職だから残業代は出していない」

 

「店長の労働時間を細かく見ていない」

 

という会社は、自社の管理職の働き方を一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

出典:

厚生労働省「確かめよう労働条件 時間外・休日労働と割増賃金」

厚生労働省「確かめよう労働条件 管理監督者」

厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」

厚生労働省「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」

e-Gov法令検索「労働基準法」