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ブログ
作成日:2026/10/13
配置転換や職種変更、会社の判断だけで決めて大丈夫?異動を命じるときに確認したいこと

 

 

会社を運営していると、社員の配置を変更したい場面があります。

 

 

「営業から事務へ異動してもらいたい」

 

 

「人手が足りない部署へ移ってもらいたい」

 

 

「別の事業所で勤務してもらいたい」

 

 

といったケースです。

 

 

会社として必要な人員配置であっても、社員にとっては仕事内容や働く場所が大きく変わることがあります。

 

 

そのため、

 

 

「会社の人事異動だから、本人の意向は関係ない」

 

 

と考えて進めるのは注意が必要です。

 

 

今回は、配置転換や職種変更を行うときに会社が確認しておきたいポイントをお伝えします。

 

 

 

【まず雇用契約の内容を確認しましょう】

 

 

配置転換を考えるときに、最初に確認したいのが雇用契約の内容です。

 

 

たとえば、採用時に、

 

 

「営業職として勤務する」

 

 

「勤務地は東京本社に限定する」

 

 

といった形で、職種や勤務地を限定して契約している場合があります。

 

 

このような場合には、会社が当然に別の職種や勤務地へ変更できるとは限りません。

 

 

一方、就業規則や雇用契約で、業務上の必要に応じて職種や勤務地を変更することがあると定めている会社もあります。

 

 

まずは、

 

 

●雇用契約書

●労働条件通知書

●就業規則

●本人への採用時の説明

 

 

を確認し、どのような条件で雇用しているのかを整理しましょう。

 

 

 

【就業規則に書いてあれば何でもできるわけではありません】

 

 

就業規則に、

 

 

「会社は業務上必要がある場合、配置転換を命じることがある」

 

 

と定めている会社は少なくありません。

 

 

ただし、このような規定があれば、どのような配置転換でも自由にできるというわけではありません。

 

 

配置転換については、業務上の必要性があるか、不当な動機や目的がないか、社員に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益が生じないかなど、具体的な事情が問題になることがあります。

 

 

たとえば、嫌がらせを目的とした異動や、退職させることを狙った異動は問題になり得ます。

 

 

会社として、

 

 

「なぜこの人を、この部署へ異動させる必要があるのか」

 

 

を説明できるようにしておくことが大切です。

 

 

 

【給与が下がる場合はさらに慎重に】

 

 

配置転換によって、仕事内容だけでなく給与まで変わることがあります。

 

 

たとえば、営業職から内勤職へ変更することで営業手当がなくなるケースです。

 

 

この場合、単なる配置転換だけでなく、労働条件の不利益変更の問題が生じることがあります。

 

 

「職種が変わったのだから当然に給与も下げる」

 

 

と単純に考えず、

 

 

●現在の賃金の内訳

●手当の支給条件

●雇用契約の内容

●就業規則や賃金規程

●変更による本人への影響

 

 

などを確認する必要があります。

 

 

仕事内容の変更と給与の変更は、分けて考えるようにしましょう。

 

 

 

【本人への説明も大切です】

 

 

会社として合理的な配置転換であっても、社員に突然伝えると不安や不満につながります。

 

 

たとえば、

 

 

「来月から別の部署に行ってください」

 

 

とだけ言われれば、本人は、

 

 

「評価が悪かったのだろうか」

 

 

「今の仕事を外される理由は何だろう」

 

 

と感じるかもしれません。

 

 

配置転換を伝えるときには、

 

 

●異動する理由

●新しい仕事内容

●勤務場所

●勤務時間

●給与や手当への影響

●異動日

 

 

などを整理して説明するとよいでしょう。

 

 

本人の意見を聞いたからといって、必ず希望どおりにしなければならないわけではありません。

 

 

ただ、事情を聞かず一方的に伝える場合と、説明したうえで進める場合では、受け止め方が大きく変わることがあります。

 

 

 

【家庭事情への配慮が必要なこともあります】

 

 

配置転換によって勤務地が変わる場合、社員の生活への影響も確認しておきたいところです。

 

 

たとえば、

 

 

●小さな子どもの送迎がある

●家族の介護をしている

●通勤時間が大幅に長くなる

●転居が必要になる

 

 

といった事情があることもあります。

 

 

会社の人員配置だけを見るのではなく、本人にどの程度の負担が生じるのかも確認しておきましょう。

 

 

特に転勤を伴う場合には、本人の家庭状況を確認したうえで判断することが重要です。

 

 

 

【「とりあえず異動させる」は避けたいところ】

 

 

勤務態度に問題がある社員について、

 

 

「今の部署ではうまくいかないから、とりあえず別の部署へ移そう」

 

 

と考えることがあります。

 

 

配置転換によって環境を変えることが有効な場合もあります。

 

 

ただし、注意指導の代わりとして配置転換を使うと、問題の原因が曖昧なままになることがあります。

 

 

勤務態度や能力に課題があるのであれば、その内容を本人に伝え、必要な指導を行うことが基本です。

 

 

配置転換をする場合も、何を目的とした異動なのかを会社として整理しておきましょう。

 

 

 

【会社が確認したいポイント】

 

 

配置転換や職種変更を行う場合には、次のような点を確認してみましょう。

 

 

●雇用契約で職種や勤務地が限定されていないか

●就業規則に配置転換についての定めがあるか

●異動について業務上の必要性を説明できるか

●嫌がらせや退職勧奨の手段になっていないか

●給与や手当が変わらないか

●本人の生活に著しい不利益が生じないか

●異動後の仕事内容や条件を説明しているか

●本人の事情を確認する機会を設けているか

 

 

配置転換は、会社にとっては組織運営の一つですが、社員にとっては働き方が大きく変わる出来事です。

 

 

そのため、手続きだけでなく、説明の仕方も大切になります。

 

 

 

【まとめ:配置転換は「なぜ必要なのか」を整理する】

 

 

会社では、事業の変化や人員体制に合わせて、配置転換が必要になることがあります。

 

 

適切な配置によって、社員が新しい力を発揮できることもあります。

 

 

一方で、仕事内容、勤務地、給与、生活環境などに大きな変化が生じる場合には慎重な対応が必要です。

 

 

配置転換を決める前に、

 

 

「なぜこの異動が必要なのか」

 

 

「本人にどのような影響があるのか」

 

 

を一度整理してみましょう。

 

 

会社の事情を丁寧に説明し、社員の事情にも耳を傾けながら進めることが、異動後も安心して働いてもらうための大切なポイントです。

 

 

 

出典:

 

厚生労働省「労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)」

厚生労働省「労働契約法に関するQ&A」

厚生労働省「ゲノム情報による不当な差別等への対応の確保(労働分野における対応)」

e-Gov法令検索「労働契約法」