お気軽にお問い合わせください  
 03-3470-2050
MENU
MENU
ブログ
作成日:2026/10/17
給与振込、会社指定の口座で大丈夫?会社が確認したい賃金の支払方法

 

今では、給与を銀行振込で支払っている会社がほとんどだと思います。

 

 

社員が入社するときに、

 

 

「この銀行の口座を作ってください」

 

 

「給与振込先を書いてください」

 

 

と案内することもあるでしょう。

 

 

銀行振込は当たり前のように行われていますが、労働基準法では、賃金の支払方法についてルールがあります。

 

 

実は、法律上の原則は銀行振込ではありません。

 

 

今回は、給与を銀行振込する場合に会社が確認しておきたい基本をお伝えします。

 

 

 

【賃金は現金で本人に支払うのが原則】

 

 

労働基準法では、賃金について、原則として通貨で、直接労働者本人に、その全額を支払うこととされています。

 

 

つまり、法律上の基本は現金による支払いです。

 

 

ただし、一定の条件を満たす場合には、銀行口座への振込みなども認められています。

 

 

現在では給与振込が一般的になっていますが、

 

 

「会社が銀行振込と決めれば自由にできる」

 

 

という仕組みではありません。

 

 

 

【銀行振込には本人の同意が必要です】

 

 

給与を銀行口座へ振り込むためには、社員本人の同意が必要です。

 

 

厚生労働省でも、銀行振込に同意しない社員へ会社が一方的に銀行振込を強制することはできないとしています。

 

 

実務では、入社時に給与振込依頼書などを提出してもらい、本人の同意を確認している会社が多いと思います。

 

 

書類を提出してもらう際には、

 

 

●金融機関名

●支店名

●口座種類

●口座番号

●口座名義

 

 

などを確認します。

 

 

給与振込の手続きだけでなく、本人の同意が確認できる状態にしておくことも大切です。

 

 

 

【振込先は本人名義の口座が基本】

 

 

給与の振込先は、社員本人が指定する本人名義の口座であることが基本です。

 

 

たとえば、社員から、

 

 

「自分は口座を持っていないので、配偶者の口座へ振り込んでください」

 

 

と言われることがあります。

 

 

しかし、賃金には本人へ直接支払うという原則があります。

 

 

そのため、家族名義や第三者名義の口座へ安易に振り込むのは避けましょう。

 

 

本人名義の口座を指定してもらうことが基本です。

 

 

 

【会社指定の銀行口座を強制できる?】

 

 

給与計算や振込手数料の都合から、

 

 

「社員には全員、○○銀行の口座を作ってもらっています」

 

 

という会社もあります。

 

 

会社としては、振込先を一本化できるため便利です。

 

 

ただし、給与振込は、労働者が指定する本人名義の口座へ振り込むことが前提です。

 

 

そのため、

 

 

「この銀行以外は一切認めない」

 

 

と一方的に強制する運用は慎重に考える必要があります。

 

 

会社指定の銀行を案内する場合でも、社員の希望を確認できるようにしておくとよいでしょう。

 

 

 

【給与支払日に引き出せることも必要】

 

 

銀行振込で給与を支払う場合、所定の給与支払日に、振り込まれた給与の全額を引き出せる状態になっている必要があります。

 

 

たとえば、給与支払日が25日であれば、25日に社員が給与を利用できる状態にしておく必要があります。

 

 

振込手続きが遅れて、

 

 

「銀行への振込みは25日に依頼したけれど、実際の入金は26日になった」

 

 

という場合には注意が必要です。

 

 

会社として振込依頼をした日ではなく、社員が実際に給与を受け取れる日を基準に考えましょう。

 

 

 

【給与振込先を変更したいと言われたら?】

 

 

社員から、

 

 

「来月から振込口座を変更したい」

 

 

と言われることもあります。

 

 

この場合には、給与計算の締切日や振込データの作成時期を踏まえ、社内の変更期限を決めておくとよいでしょう。

 

 

たとえば、

 

 

●変更希望月

●新しい金融機関

●本人名義であること

●申請期限

 

 

などを確認できる書式を作っておくと管理しやすくなります。

 

 

口頭だけで口座変更を受け付けると、聞き間違いや入力ミスが起きる可能性があります。

 

 

給与に関する情報は、できるだけ記録が残る方法で変更手続きを行いましょう。

 

 

 

【口座番号の誤りにも注意】

 

 

給与振込では、口座番号の入力ミスなどにより、振込みができないことがあります。

 

 

社員から提出された情報に誤りがあった場合でも、給与支払日を過ぎれば問題になりかねません。

 

 

入社時には、通帳やキャッシュカードの写しなどで口座情報を確認している会社もあります。

 

 

ただし、必要以上の個人情報を取得しないことも大切です。

 

 

何を提出してもらうか、会社内でルールを決めておきましょう。

 

 

 

【給与から勝手に振込手数料を引いていませんか?】

 

 

給与振込にかかる手数料を、社員の給与から差し引いている会社があれば注意が必要です。

 

 

賃金には「全額払い」の原則があります。

 

 

法律で認められたものや、一定の労使協定に基づく控除などを除き、会社が自由に給与から差し引くことはできません。

 

 

銀行振込にかかる費用をどのように扱うかについても、

 

 

「少額だから給与から引いておこう」

 

 

と処理しないようにしましょう。

 

 

 

【会社が確認したいポイント】

 

 

給与を銀行振込している会社では、次のような点を確認してみましょう。

 

 

●給与振込について本人の同意を確認しているか

●本人が指定する本人名義の口座へ振り込んでいるか

●家族名義など第三者名義の口座を利用していないか

●特定の金融機関だけを一方的に強制していないか

●給与支払日に全額引き出せる状態になっているか

●口座変更の手続きが決まっているか

●口座情報の変更を記録として残しているか

●振込手数料などを勝手に給与から控除していないか

 

 

銀行振込は日常的な給与事務だからこそ、ルールを意識しなくなりやすいところです。

 

 

入社時の手続きや給与計算の流れを一度確認してみましょう。

 

 

 

【まとめ:いつもの給与振込にもルールがあります】

 

 

給与を銀行口座へ振り込むことは、今ではごく一般的です。

 

 

だからこそ、

 

 

「昔からこの方法だから問題ない」

 

 

と思ってしまいがちです。

 

 

しかし、給与は社員の生活に直結する大切なものです。

 

 

本人の同意。

 

 

本人名義の口座。

 

 

給与支払日に受け取れること。

 

 

こうした基本をきちんと確認しておく必要があります。

 

 

給与計算を外部へ委託している会社でも、給与の支払責任そのものは会社にあります。

 

 

入社時にどのような案内をしているのか、給与振込の申請書がどうなっているのかを一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

出典:

 

厚生労働省「我が社では従来、希望者にのみ給料を銀行振込にしていたのですが、事務経費削減のため、全社員を対象にしたいと思います。この場合、注意する点はありますか。」

厚生労働省「確かめよう労働条件 賃金の額や支払方法などは、労基法等で規制がありますか?」

e-Gov法令検索「労働基準法」

e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」